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未来へ繋がることばたち。ときどきブログ
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「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。

「ばか」っていうと
「ばか」っていう。

「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。

そうして、あとで
さみしくなって、

「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。

こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。


―金子ミスズ「こだまでしょうか」―

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読むだけでは美しいことばもただの文字
  
しゃべるだけではりっぱなことばもただの音

 
ことばのとおりに行うとき

 
ことばのとおりに生きるとき




あなたはほんとのあなたになれる
 
私はほんとの私になれる



波紋のようにこころにひろがる
 
かみなりのようにこころをゆるがす
 
こころから生まれてこころにとどく
 
ことばの力はこころの力



多すぎることばはさわがしい
 
こころの底の静けさがことばのふるさと





―谷川俊太郎「こころのとおりに」―

 ほんとうに、いったいいつだったんだろう。

子どもだったきみが、

「ぼくはもう子どもじゃない。もうおとななんだ」と

はっきり知った「あのとき」は?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「四」


「遠くへいってはいけないよ」。子どものきみは遊びにゆくとき、いつもそう言われた。いつもおなじその言葉だった。誰もがきみにそう言った。きみにそう言わなかったのは、きみだけだ。

「遠く」というのは、きみには魔法のかかった言葉のようなものだった。きみにはいってはいけないところがあり、それが、「遠く」とよばれるところなのだ。そこへいってはならない。そう言われれば言われるほど、きみh「遠く」というところへ一どゆきたくてたまらなくなった。

「遠く」というのがいったいどこにあるのか、きみは知らなかった。きみの街のどこかにそれはあるのだろうか。きみはきみの街ならどこでも、きみの掌のようにくわしく知っていた。しかし、きみの知識をありったけあつめても、やっぱりどんな「遠く」もきみの街にはなかったのだ。きみの街にはかくされた、秘密の「遠く」なんてところはなかった。「遠く」とはきみの街のそとにあるところなのだ。

ある日、街のそとへ、きみはとうとう一人ででかけていった。街のそとへゆくのはむずかしいことではなかった。街はずれの橋をわたる。あとはどんどんゆけばいい。きみは急ぎ足で歩いていった。ポケットに、握りこぶしを突っこんで。急いでゆけば、それだけ「遠く」に早くつけるのだ。そしたら、「遠く」にいったなんてことに誰も気づかぬうちに、きみはかえれるだろう。

けれども、どんなに急いでも、どんなに歩いても、どこが「遠く」なのか、きみにはどうしてもわからない。きみは疲れ、泣きたくなり、立ちどまって、最後にはしゃがみこんでしまう。街からずいぶんはなれてしまっていた。そこがどこなのかもわからなかった。もどらなければならなかった。

きた道とおなじ道をもどればいいはずだった。だが、きみは道をまちがえる。何辺もまちがえて、きみはわッと泣きだし、うろうろ歩いた。道に迷ったんだね。誰かが言った。迷子だな。べつの誰かが言った。迷子というのは、きみのことだった。きみは知らないひとに連れられて、家にかえった。叱られた。
「遠くへいってはいけないよ」。
子どもだった自分をおもいだすとき、きみがいつもまっさきにおもいだすのは、その言葉だ。子どものきみは「遠く」へゆくことをゆめみた子どもだった。だが、そのときのきみはまだ、「遠く」というのが、そこまでいったら、もうひきかえせないところなんだということを知らなかった。

「遠く」というのは、ゆくことはできても、もどることのできないところだ。おとなのきみは、そのことを知っている。おとなのきみは、子どものきみにもう二どともどれないほど、遠くまできてしまったからだ。

子どものきみは、ある日ふと、もう誰からも「遠くへいってはいけないよ」と言われなくなったことに気づく。そのときだったんだ。そのとき、きみはもう、一人の子どもじゃなくて、一人のおとなになってたんだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―長田弘 「深呼吸の必要」より『あのときかもしれない―「四」』―より晶文社

あいしてるって どういうかんじ?
ならんですわって うっとりみつめ
あくびもくしゃみも すきにみえて
ぺろっとなめたく なっちゃうかんじ

あいしてるって どういうかんじ?
みせびらかして やりたいけれど
だれにもさわって ほしくなくって
どこかへしまって おきたいかんじ

あいしてるって どういうかんじ?
いちばんだいじな ぷらもをあげて
つぎにだいじな きってもあげて
おまけにまんがも つけたいかんじ


―谷川俊太郎 1988年「いちねんせい」より―
人は限りないものを知ることはできない

だが人はそれを生きることができる

限りある日々の

彼方を見つめて



―谷川俊太郎―
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